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金属の金（Au）は、宇宙における非常に稀な過程で生まれる元素です。金が形成される主なメカニズムは、超新星爆発や中性子星同士の衝突といった非常にエネルギーの高い天体現象に関係しています。

まず、金の元となる重元素は、星の核融合反応では作り出されません。恒星内部では主に水素やヘリウムのような軽い元素が融合して、より重い元素が作られますが、鉄より重い元素は核融合反応によって作り出すことができません。恒星の進化が進み、やがて超新星爆発を起こすと、この爆発の極めて高温高圧の環境下で重元素の合成が起こります。この過程で鉄よりも重い元素、例えば金が生成されるのです。

また、中性子星同士の衝突でも金は生成されます。中性子星は、超新星爆発後に残された極めて密度の高い天体です。これらが衝突すると、非常に多量の中性子が放出され、これが原子核に捕獲されることで、さらに重い元素が形成されます。こうして形成された金は、衝突後に宇宙空間に放出され、長い時間をかけて塵やガスと共に惑星や恒星に取り込まれます。

地球に存在する金も、このような過程で宇宙空間に散らばった金が集積して形成されたものです。現在私たちが手にする金は、数十億年前に宇宙で生成されたものが地球に集まり、鉱脈として形成されたものなのです。